hypermkt blog

Kaigi on Rails 2025に参加&登壇しました

2025/10/05

こんにちは、hypermkt です。

2025 年 9 月 26 日, 27 日に開催された Kaigi on Rails 2025にて、登壇の機会をいただきました。昨年に続き、2年連続で登壇させていただき、とても光栄です

今回の登壇では、「履歴 on Rails : Bitemporal Data Modelで実現する履歴管理」というタイトルで発表してきました。

登壇後は、ActiveRecord::Bitemporalを活用されている方や有効期間管理に取り組まれている方と、現状の課題感や対策についてお話しする機会があり、とても刺激的でした。 多くの方に関心を持っていただけてうれしかったです。

この発表が、履歴管理に関心を持つきっかけになれば幸いです😃

気になったセッション

5年間のFintech × Rails実践に学ぶ - 基本に忠実な運用で築く高信頼性システム

お話の中で私が興味を持った点は「モジュール化」と「アラートトリアージ」のお話でした。

1点目については、アーキテクチャ設計の工夫の一つとして「モジュール」に取り組まれているとのこと。SmrtHRではPackwerkを利用したモジュラモノリス化に取り組んでいるが、SMART BANK社ではシンプルにRuby built-inのモジュール方式を採用。登壇者の方と直接お話を伺いましたが、app/models配下に細かくモジュール化を進められており、各モジュールごとにエントリポイントになるメソッドもあるとのこと。責務の整理や認知負荷の低減といったモジュラモノリスと共通するメリットがある一方で、Gemなどを用いず純粋なRuby/Railsの機能だけで実現されている点がとても興味深かったです。

2点目についてはSentryアラートのトリアージ。SmartHRでのアプリケーションエラーの監視にSentryを利用していますが、組織的にうまく活用できていない課題がありました。SMART BANK社ではモジュールごとにオーナーを決めて担当チームのチャンネルにSlack通知をすることで、迅速なトリアージに繋げられてるとのこと。エラー発生数も数値として大きく低減する実績も残されている点がとても素晴らしかったです。

総合的に高信頼性を保つために、アプリケーション設計、監視、品質と様々な観点で工夫と取り組みをされている点が愚直でありながらも、高いレベルで実現できていること、多くのプロダクトで参考になるお話だったのがとても良かったです。

Railsアプリから何を切り出す?機能分離の判断基準

最近モジュラモノリス化を進めているので、機能分離のお話がとても気になりました。なぜ機能分離が必要か、どのような観点で機能を分離するのか、とても丁寧に説明されておりわかりやすかったです。

機能分離の目的としては「コードベースの複雑化」「開発速度の低下」と開発体験の悪化が大きいようですね。そのうえで、5つの判断軸を提示してそれを利用して個々の機能を機能分離を判断していく過程がとても興味深く参考になりました。

rails g authenticationから学ぶRails8.0時代の認証

Rails 8.0から本体で提供されるようになった認証機能の説明でした。とても丁寧に解説頂き概要をしっかり理解することができました。 自分も同じようにコードリーディングを通じて新機能を学んでいきたいと思える内容でした。

おわりに

2回目のKaigi on Rails参加となりましたが、スポンサーブース・懇親会を通じて様々な方とお話ができてとても楽しかったです。

さて、2025年10月10日に開催予定の「Kaigi on Rails 2025事後勉強会」にてLT予定です。もしご都合があいましたらぜひご参加ください〜!


Makoto Chiba

都内で働くWebアプリケーションエンジニア。主にサーバーサイド。最近はRuby/Railsでコードを書くのが楽しい。